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最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈
掲載日:2010-12-21 クリック回数:1030
最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理
における法律適用の若干問題に関する解釈
(法釈[2009]21号)
(2009年12月21日、最高人民法院審判委員会第1480次会議で採択)

中華人民共和国最高人民法院公告

「最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈」が、2009年12月21日
に最高人民法院審判委員会第1480次会議で採決された。ここにて公布し、2010年1月1日から施行する。

                                                                                                                                                                   2009年12月28日

専利権侵害をめぐる紛争案件の正確な審理のため、「中華人民共和国専利法」、「中華人民共和国民事訴訟法」など関連する法律に基づき、実際の審判状況と結び
付けたうえで、本解釈を制定する。

第1条 人民法院は、権利者が主張する請求項を基に、専利法59条1項の規定に従って専利権の保護範囲を確定するものとする。権利者が、第一審の法廷弁論の
終結前にその主張する請求項を変更する場合には、人民法院はこれを承認するものとする。

権利者が、従属請求項により専利権の保護範囲の確定を主張した場合には、人民法院は当該従属請求項に記載された付加的な技術的特徴およびその引用した請求項
に記載された技術的特徴に基づいて専利権の保護範囲を確定するものとする。第2条 人民法院は、請求項の記載に基づき、明細書および図面を読み終えた当該分野の一般的な技術者が持っている請求項に対する理解と結び付けた上で、専利法59条1項に定めた請求項の内容を確定するものとする。

第3条 人民法院は明細書や図面、特許請求の範囲における該当の請求項及び専利審査書類を用いて請求項を解釈することができる。明細書において請求項の用語
について特別に定義されている場合には、その特別定義に従う。

請求項の意味は、上述した方法を用いても明確にならない場合、参考書や教科書などの公知文献、および当該分野の一般的な技術者が持っている一般的な理解と結
び付けて解釈することができる。

第4条 請求項において機能若しくは効果を以って記載された技術的特徴について、裁判所は明細書および図面に記述された当該機能若しくは効果の具体的な実施
形態、及びそれと同等の実施形態と結び付けた上で、当該技術的特徴の内容を確定しなければならない。

第5条 明細書若しくは図面のみにおいて記述され、請求項においては記載されていない技術方案について、専利権侵害をめぐる紛争案件の際に権利者がそれを専
利権の保護範囲に取り入れる場合、人民法院はこれを支持しない。

第6条 専利権の付与、若しくは無効宣告手続において、専利出願人や専利権者が請求項や明細書の修正、若しくは意見陳述を通して放棄した技術方案を、権利者
が専利権侵害をめぐる紛争案件で改めて専利権の保護範囲に取り入れた場合には、人民法院はこれを支持しない。

第7条 権利侵害で訴えられた技術方案が専利権の保護範囲に入っているかを判断する際に、人民法院は権利者が主張した請求項に記載された全ての技術的特徴を
審査しなければならない。権利侵害で訴えられた技術方案に、請求項に記載された全ての技術的特徴と同一あるいは同等なものが含まれている場合、人民法院はそれが専利権の保護範囲に入っていると認定しなければならない。請求項に記載された全ての技術的特徴と比べて、権利侵害で訴えられた技術方案の技術的特徴に、請求項に記載された技術的特徴が1つ以上不足している、或いは同一でもなく、同等でもない技術的特徴が1つ以上ある場合には、人民法院はそれが専利権の保護範囲に入っていないと認定しなければならない。

第8条 登録意匠に係わる物品の種類と同一又は類似する物品において、登録意匠と同一又は類似する意匠を用いた場合、人民法院は権利侵害で訴えられた設計が、
専利法59条2項に定めた意匠権の保護範囲に入っていると認定しなければならない。

第9条 人民法院は意匠に係わる物品の用途を基に、物品の種類の同一又は類似を認定しなければならない。物品の用途確定にあたって、意匠の簡単な説明、意匠
の国際分類表、物品の機能、および物品の販売や実際の利用状況などの要素を参酌することができる。

第10条 人民法院は、登録意匠に係わる物品の一般消費者の知識水準と認知能力を以って、意匠の同一又は類似の判断を行わなければならない。

第11条 意匠の同一又は類似の認定にあたって、人民法院は、登録意匠、権利侵害で訴えられた設計の設計特徴に基づき、意匠全体の視覚効果を以って総合的に
判断しなければならない。主に技術的な機能で決まるような設計特徴、および全体の視覚効果に影響を与えないような物品の材料や、内部構造などの特徴は考慮しな
い。

次のような状況は通常、意匠全体の視覚効果に対してより大きな影響を与える。
(一) 他の部分に対して、物品の正常使用時に容易に直接観察できる部分
(二) 登録意匠におけるその他の設計特徴に対して、登録意匠の既存設計と区別される設計特徴権利侵害で訴えられた設計と登録意匠とが、全体の視覚効果において相違のない場合、人民法院は二者の同一を認定し、全体の視覚効果において実質的な相違のない場合、二者の類似を認定しなければならない。

第12条 発明又は実用新案専利権を侵害した製品を部品として別の製品を製造する場合、人民法院はこれが専利法11条に定めた使用行為に該当すると認定しな
ければならない。当該別の製品を販売した場合、人民法院はこれが専利法11条に定めた販売行為に該当すると認定しなければならない。
意匠権を侵害した製品を部品として別の製品を製造し販売する場合、人民法院はこれが専利法11条に定めた販売行為に該当すると認定しなければならない。但し、
意匠権を侵害した製品が当該別の製品において技術的な機能だけを持っている場合は除外される。
前記2項に定めた状況において、権利侵害で訴えられた者の間で分担・協力関係のある場合には、人民法院はこれを共同侵害と認定しなければならない。

第13条 専利方法を用いて得られた原始的な製品について、人民法院は、専利法11条に定めた、専利方法により直接に得られた製品であると認定しなければな
らない。
上述した原始的な製品をさらに加工・処理した上で後続製品を獲得するような行為について、人民法院は、専利法11条に定めた、専利方法を用いて直接に得られ
た製品の使用に該当すると認定しなければならない。

第14条 専利権の保護範囲に入っていると訴えられた全ての技術的特徴が、ある既存技術方案における相応した技術的特徴と同一、或いは実質的な相違がない場
合、人民法院は、権利侵害で訴えられた者が実施した技術が、専利法62条に定めた既存技術に該当すると認定しなければならない。
権利侵害で訴えられた設計がある既存設計と同一する、若しくは実質的な相違がない場合、人民法院は、権利侵害で訴えられた者が実施した設計は、専利法62条に定めた既存設計に該当すると認定しなければならない。

第15条 権利侵害で訴えられた者が不法獲得した技術若しくは設計をもって、先使用権を主張し抗弁する場合、人民法院はこれを支持しない。
次のような状況のいずれか一つがある場合、人民法院は、専利法69条(2)号に定めた、既に製造と使用の必要準備を整えていると認定しなければならない。

(1)発明創造の実施に必要とされる主な技術的図面若しくは工程書類が完成されている
(2)発明創造の実施に必要とされる主な設備若しくは原材料の製造又は購入が実施されている
専利法69条(2)号に定めた元の範囲は、専利出願日以前にあった生産規模、および既存の生産設備を利用し、若しくは既存の生産準備状況により達成できるような生産規模が含まれる。
専利出願日以降に、先使用権者が既に実施している若しくは実施の必要準備を済ませている技術又は設計を譲渡する、又は実施を許諾する場合において、当該実施行為が元の範囲内での継続実施であるという権利侵害で訴えられた者の主張を、人民法院は支持しない。但し、当該技術あるいは設計が従来の企業とともに譲渡若しくは継承される場合は除外される。

第16条 人民法院が専利法第65条1項に基づいて、権利侵害者が権利侵害によって取得した利益を確定する場合、権利侵害者の専利権侵害行為によって取得した利益に限るものとする。ほかの権利により生じた利益は、合理的に差し引かなければならない。
発明や実用新案専利権を侵害する製品が別の製品の部品である場合、人民法院は、当該部品自体の価額、および完成品の利益実現における役割などの要素により賠償額を合理的に確定しなければならない。
意匠権を侵害する製品が包装物である場合、人民法院は、包装物自体の価額、および被包装製品の利益実現における役割などの要素により賠償額を合理的に確定しなければならない。

第17条 製品若しくは製品の製造に関する技術方案が、専利出願日以前から国内外で公衆に知られている場合、人民法院は、当該製品が専利法61条1項に定めた新製品に該当しないと認定しなければならない。

第18条 権利者が他者に対して専利権侵害の警告を発信しながら、被警告人若しくは利害関係者が書面で権利者に訴権の行使を催告したにも拘わらず、権利者は当該書面催告の受領日から1ヶ月以内、又は書面催告の発信日から2ヶ月以内に、警告の撤回をせず、訴訟も提起しなかったため、被警告人若しくは利害関係者がその行為について専利権非侵害確認請求訴訟を提起する場合には、人民法院はこれを受理しなければならない。

第19条 専利権侵害で訴えられた行為が2009年10月1日以前に発生した場合、人民法院は改正前の専利法を適用する。2009年10月1日以降に発生した場合、人民法院は改正後の専利法を適用する。
専利権侵害で訴えられた行為が2009年10月1日以前に発生し、かつ2009年10月1日以降にも継続しており、改正前および改正後いずれの専利法に基づいても権利侵害者が賠償責任を負うものについては、人民法院は改正後の専利法を適用して賠償額を確定する。

第20条 これまでに当法院の公布した関連する司法解釈が本解釈と一致しない場合は、本解釈に準じる。
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