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最高人民法院、最高人民検察院、 公安部、司法部知的財産権侵害刑事事件の処理における 法律適用の若干問題に関する意見
掲載日:2011/2/12 クリック回数:918
最高人民法院、最高人民検察院、公安部、司法部知的財産権侵害刑事事件の処理における法律適用の若干問題に関する意見

ここ数年、知的財産権侵害刑事事件の処理に取り組む公安機関や人民検察院、人民法院が臨む新たな事情や課題を解決し、知的財産権侵害の犯罪活動を法に基づいて処罰し、社会主義市場経済の秩序を維持するために、刑法、刑事訴訟法及び関連の司法解釈の規定に準拠し、捜査・起訴・審判の実践と結びつけ、本意見を制定する。

一、知的財産権侵害犯罪事件の管轄について
知的財産権侵害犯罪事件は、犯罪地の公安機関で立件、捜査される。必要な場合、犯罪容疑者の居住地の公安機関で立件、捜査することができる。知的財産権侵害犯罪事件の犯罪地には、侵害製品の製造地、貯蔵地、輸送地、販売地、そして権利侵害作品の発信や販売を行うウェブサイトのサーバーの所在地、ネットワーク接続地、ウェブサイト設立者又は管理者の所在地、権利侵害作品をアップロードする者の所在地、権利者が実際に侵害を受けた犯罪の結果の発生地が含まれる。知的財産権侵害犯罪地が複数ある場合は、最初に受理した公安機関又は主要な犯罪地の公安機関の管轄とする。複数ある知的財産権侵害犯罪地の公安機関で管轄について争議がある場合、共通の上級公安機関が管轄を指定する。逮捕許可の要請、送検・起訴、公訴の提起が必要な場合は、当該公安機関の所在地の同級の人民検察院、人民法院が受理する。
異なる犯罪容疑者や犯罪グループが地域横断で実施する同一ロットの権利侵害製品に関わる製造、貯蔵、輸送、販売など知的財産権侵害犯罪行為に対して、併合処理の要件に合致している場合は、関係のある公安機関はこれを合わせて立件、捜査することができる。逮捕許可の要請、審査起訴への移送、公訴の提起が必要な場合は、当該公安機関の所在地の同級の人民検察院、人民法院が受理する。

二、知的財産権侵害刑事事件の処理における行政法執行部門による収集、取得した証拠の効力について
行政法執行部門が法に基づいて収集、取得、製作している物証や書証、視聴資料、検査報告書、鑑定の結論、鑑識の記録、現場調書は、公安機関や人民検察院の審査を受け、人民法院で法廷審理における反対尋問を受けて確認された場合は、刑事証拠として使用することができる。
行政法執行部門で製作された証人の証言、当事者の陳述などの取調記録は、公安機関が刑事証拠として使用する必要があると判断した場合、法に基づいて改めて収集、製作するものとする。

三、知的財産権侵害刑事事件における抜き取り証拠収集及び鑑定依頼の処理について

知的財産権侵害刑事事件を処理する公安機関は、業務上の必要性に応じて抜き取り証拠収集を実施するか、又は同級の行政法執行部門や、該当の検査機構に抜き取り証拠収集の協力を要請することができる。法律や法規において、抜き取り実施機構又は抜き取り方法について定められている場合、所定の機構に依頼し、所定の方法に沿うサンプル抜き取りを行うものとする。
知的財産権侵害刑事事件を処理する公安機関、人民検察院、人民法院は、鑑定が必要な事項については、国で認められている鑑定資格を有する鑑定機構に鑑定を依頼するものとする。
公安機関、人民検察院、人民法院は鑑定の結論を審査し、権利者や犯罪容疑者、被告人から鑑定の結論に対する意見を聴取するものとし、鑑定機構に対して相応の説明を要請することができる。

四、知的財産権侵害犯罪の自訴事件における証拠収集について
人民法院では、知的財産権侵害刑事事件の自訴事件を法に基づいて受理し、当事者が物理的な原因で入手できない証拠については、当事者が自訴提起時に関連する手掛かりを提供でき、人民法院に対して取得するよう申請した場合、人民法院は法に基づいて取得するものとする。

五、刑法213条に定められた「同一種類の商品」の認定について
同一名称の商品、そして同一でなくても、同じ物を指す名称の商品は、「同一種類の商品」と認定することができる。「名称」とは、国家工商行政管理総局商標局が商標登録業務において商品に使用する名称を言う。通常、「ニース協定に基づく標章の登録のための商品およびサービスの国際分類」に定められている商品名となる。「同一でなくても、同じ物を指す名称の商品」とは、機能や目的、主な原料、消費対象、販売経路などが同一又はほぼ同一のもので、関連公衆には同一種類の物と一般的に認められている商品を言う。
「同一種類の商品」の認定には、権利者の登録商標の指定商品と行為者が実際に生産販売している商品とを比較するものとする。

六、刑法213条に定められた「その登録商標と同一の商標」の認定について
次に掲げる項目の何れかに該当した場合、「その登録商標と同一の商標」と認定することができる。
(一)登録商標の字体やアルファベットの大文字と小文字又は文字の横・縦配列を改変し、登録商標と軽微な相違しかない場合
(二)登録商標の文字、アルファベット、数字などの間隔を改変しており、登録商標の顕著な特徴を表現するには影響を及ぼさない場合
(三)登録商標の色を改変している場合
(四)その他登録商標とは視覚上でほぼ差異がなく、公衆をミスリードするのに充分な商標である場合。

七、登録商標虚偽表示が付加されていない、又は完全には付加されていない侵害製品の金額の不法経営額への計上について
製造、貯蔵、輸送されている及び販売されていない登録商標虚偽表示に当たる侵害製品の金額算定の際、製作は完了しているが、登録商標虚偽表示が付加(貼り付けも含む)されていない、又は完全には付加(貼り付けも含む)されていない製品については、当該製品は他者の登録商標を虚偽表示しようとすることが確実で十分な証拠により証明されれば、その金額を不法経営額に計上する。

八、虚偽登録商標の商品を販売する犯罪事件における未販売又は一部販売済みの場合の罪判定と量刑について
虚偽登録商標の商品であることを明らかに知りながら販売するもので、次に掲げる項目の何れかに該当する場合、刑法214条の規定に準拠して虚偽登録商標の商品販売罪(未遂)と判定して処罰を与える。
(一)虚偽登録商標の商品がまだ販売されておらず、商品金額が15万元以上である場合
(二)虚偽登録商標の商品の一部が販売されており、販売された分の金額が5万元未満だが、まだ販売していない虚偽登録商標の商品金額との合計額が15万元以上である場合
虚偽登録商標の商品がまだ販売されておらず、商品金額がそれぞれ15万元以上25万元未満、25万元以上である場合は、各々刑法214条に定められている各法定刑の幅に準拠して罪を判定し処罰を与える。
販売額と未販売分商品金額がそれぞれ異なる法定刑の幅、若しくはいずれも同一法定刑の幅に達した場合は、より重い処罰の法定刑又は同一の法定刑の幅に準拠し、事情を斟酌して重罰を加える。

九、他者による偽造、無断製造した登録商標標識の販売に当たる犯罪事件における未販
売又は一部販売済みの場合の罪の判定について
他者が偽造、無断製造した登録商標標識を販売するときは、次に掲げる項目の何れかに該当する場合、刑法215条の規定に準拠して、登録商標標識の不法製造、不法販売罪(未遂)と判定して処罰を与える。
(一)まだ販売していない他者による偽造や無断製造の登録商標標識数が6万点以上である場合
(二)まだ販売していない他者による偽造や無断製造の2種類以上の登録商標標識数が3万点以上である場合
(三)他者が偽造、無断製造した登録商標標識を一部販売したもので、販売された分の標識の数は2万点未満だが、まだ販売されていない分の表示との合計数が6万点以上である場合
(四)他者が偽造、無断製造した2種類以上の登録商標標識を一部販売し、販売された分の標識数は1万点未満だが、まだ販売されていない分の標識との合計数が3万点以上である場合

十、著作権侵害犯罪事件における「営利を目的とする」の認定について
販売のほか、次に掲げる項目の何れかに該当する場合、「営利を目的とする」として認定することができる。
(一)他者の作品における有料の広告掲載、第三者の作品との抱き合わせなどで直接又は間接的に費用を徴収している場合
(二)情報ネットワークを介して他者の作品を発信するか、又は他者がアップロードした権利侵害作品を利用し、ウェブサイト又はウェブページ上で有料広告サービスを提供することにより、直接又は間接的に費用を徴収している場合
(三)会員制でネットワークを介し他者の作品を発信することにより、会員登録費又は他の費用を徴収している場合
(四)他者の作品を利用して利益を図るその他の場合

十一、著作権犯罪侵害事件における「著作権者による許諾を得ていない」の認定について
「著作権者による許諾を得ていない」とは、通常は著作権者又はそれが授権した代理人や著作権の集団管理組織、国の著作権行政管理部門から指定された著作権認証機構が発行
する係争作品の著作権認証書類、若しくは出版者、複製発行者がライセンス許諾書類を偽造、改ざんしていること、又はライセンス許諾の範囲を超えていることを証明している証拠に基づき、他の証拠と合わせて総合的に認定するものとする。
係争作品の種類が多くあり、権利者も分かれている事件では、前述のような証拠を個々に取得するのは確かに難しいが、係争複製物は不法出版物、不法複製発行物であることを証明する証拠があり、そして出版者や複製発行者も著作権者から許諾を得ている旨の証明資料を提供できない場合、「著作権者による許諾を得ていない」と認定することができる。ただし、権利者が権利を放棄したり、係争作品の著作権はわが国の著作権法から保護を受けないこと、又は著作権の保護期間を満了していることを証明する証拠がある場合は除外される。

十二、刑法217条に定められた「発行」の認定及び関連問題について
「発行」には、総発行、卸売、小売、情報ネットワークを介した発信及び賃貸、展示販売などの活動が含まれる。
他者の作品の不法出版や複制、発行で、著作権を侵害し犯罪となる場合は、著作権侵害罪と判定して処罰を与える。不法経営罪などその他の犯罪として認定しない。
十三、情報ネットワークを介した権利侵害作品発信行為の罪の判定と処罰の基準について
営利を目的とし、著作権者による許諾を得ずに、情報ネットワークを介し他者の文字作品、音楽、映画、テレビ、美術、撮影、録画作品、録音録画製品、コンピュータソフトウェア及び他の作品を公衆向けに発信するもので、次に掲げる項目の何れかに該当する場合、刑法217条に定められた「その他重大な情状」に該当する。
(一)不法経営額が5万元以上である場合
(二)他者の作品を発信した数が合計ベースで500点(部)以上である場合
(三)発信した他者の作品への実際のクリック数が5万回以上である場合
(四)会員制で他者の作品を発信しており、登録会員が1000人以上である場合
(五)金額又は数量は(一)号から(四)号に定めた基準に達していないが、うちの二つ以上の号の基準の半分以上にそれぞれ達した場合
(六)その他重大な情状の場合
前項に定めた行為を実施し、金額や数量は前項(一)号から(五)号に定めた基準の5
倍以上に達した場合、刑法217条に定められた「その他極めて重大な情状」に該当する。

十四、知的財産権侵害行為の数回実施時の累計額の計算について
「最高人民法院、最高人民検察院による知的財産権侵害における刑事事件の処理についての具体的な法律適用に関する若干問題の解釈」12条2項により、数回にわたり知的財産権侵害行為を実施しており、行政処分又は刑事処罰を受けていない場合の不法経営額や違法所得額又は売上額は、累計ベースで計算する。
2年以内に、知的財産権侵害の違法行為を数回にわたって実施しており、行政処分を受けておらず、累計額で犯罪を構成した場合は、法に基づいて罪を判定して処罰を与えるものとする。知的財産権侵害行為の実施者に対する訴追期間は、刑法の関連規定を適用し、前述した2年の制限を受けない。

十五、他者による知的財産権侵害の犯罪実施に対する原材料や機械設備などの提供行為の性質決定について
他者の知的財産権侵害の犯罪の実施を明らかに知りながら、権利侵害製品の生産や製造のための主な原材料、副資材、半製品、パッケージ用材料、機械設備、ラベル標識、生産技術、調合指図書などについて幇助するか、又はインターネット接続、サーバー預託、ネットワーク上の保存スペース、通信伝送用チャンネル、集金代理、費用決済などのサービスを提供している場合は、知的財産権侵害罪の共犯者として処罰を与える。

十六、知的財産権侵害における1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合等の処理について
行為者が知的財産権侵害罪を犯すと同時に、模倣品・粗悪品の生産・販売という犯罪を構成している場合、知的財産権侵害の犯罪と模倣品・粗悪品の生産・販売の犯罪の中でより重い処罰の規定に準拠して罪を判定し処罰を与える。
 
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